うめ犬マーケットレポート【日本株】|NVIDIA決算通過でAI相場はどうなる?来週の注目株3選【2026年8月第4週】

市場ニュース

今週も「うめ犬マーケットレポート【日本株】」をご覧いただきありがとうございます。

このシリーズでは、その週に起きたニュースを並べるだけではなく、

  • 今週どこに資金が向かったのか
  • なぜ株価が動いたのか
  • その流れは来週も続くのか
  • 次に狙いたい銘柄はどこなのか

という視点から、日本株市場を分析します。

今週最大のイベントは、何と言っても8月26日のNVIDIA決算でした。

前回のレポートでは、

「NVIDIA決算がAI関連株の次の方向を決める重要イベントになる」

と予想しました。

結果としてNVIDIAは市場の高い期待を上回る決算を発表。

さらに来年度の売上高について約70%増という非常に強気な見通しを示し、「AI向け設備投資はまだ終わっていない」ことを改めて市場へ示しました。

しかし、ここで面白い現象が起きています。

NVIDIAが強かったからといって、日本のAI関連株がすべて同じように上昇したわけではありません。

8月28日の日本市場では、

  • アドバンテスト
  • 東京エレクトロン
  • SCREENホールディングス
  • イビデン

などが買われた一方、

  • キオクシア
  • フジクラ
  • 古河電気工業
  • 住友電気工業

などは弱い動きとなりました。

つまり今のAI相場では、

「AI関連だから買う」

という単純な相場から、

「AI関連の中でも、次に利益が大きく伸びる企業はどこなのか」

を選別する相場へ移行している可能性があります。

今週は、この変化を中心に見ていきます。


先週の予想を答え合わせ

まず、前回のマーケットレポートを振り返ります。

先週は来週の重要ポイントとして、

「NVIDIA決算後にAI投資の強さが再確認されるのか」

を挙げました。

結果として、この部分はかなり明確な答えが出ました。

NVIDIAの売上高は前年同期比で2倍以上となり、さらに会社側は次年度についても大幅な成長を予想しています。

少なくとも現時点では、

「AIデータセンターへの設備投資そのものが急速に終わる」

というシナリオの可能性は低下したと考えています。

一方、もう一つ注目していたのが、

「AIから別テーマへの資金循環」

です。

こちらについては完全なテーマ転換には至っていません。

むしろNVIDIA決算によってAI関連へ資金が戻りました。

ただしAI関連の中でも明暗が分かれているため、

AI → 非AI

という単純な資金移動ではなく、

AIの中で資金の移動が起きている

と見る方が現在の市場を説明しやすいでしょう。

今後も毎週、過去の予想をこうして検証していきます。


今週の注目テーマ① NVIDIA決算で「AIバブル崩壊懸念」はいったん後退

今週最大のテーマは、やはりAIです。

NVIDIAの決算は非常に強い内容となりました。

AI向けデータセンター投資が今後も続く可能性が高まったことで、NVIDIAだけではなく米国の半導体関連株にも買いが広がりました。

日本株でも28日にはアドバンテストや東京エレクトロンが上昇しています。

ここから重要になるのは、

NVIDIAの成長が日本企業のどこへ波及するのか

という視点です。

AIデータセンターを作るにはGPUだけでは足りません。

大量のGPUを設置すれば、

  • 半導体製造装置
  • HBMなどのメモリー
  • NAND・SSD
  • 光通信
  • 電線
  • 電源設備
  • 冷却設備

が必要になります。

そのため中長期では、AIインフラ全体への投資が続くという基本シナリオを維持します。

ただし、ここからは少し注意が必要です。

AI市場が成長することと、

すべてのAI関連株の株価が上昇することは別問題

だからです。

今後は売上・利益・受注が実際に伸びている企業を優先して選ぶ必要があります。


今週の注目テーマ② 半導体株の中でも「勝ち組・負け組」が分かれ始めた

8月28日の市場は非常に象徴的でした。

NVIDIA株の上昇を受け、

アドバンテストや東京エレクトロンは上昇。

一方、

キオクシアは下落しました。

同じAI・半導体関連でも株価の方向が違っています。

これは今後の投資戦略を考えるうえで重要です。

アドバンテストはAI向け高性能半導体のテスト需要という非常に分かりやすい成長ストーリーがあります。

東京エレクトロンも世界的な半導体設備投資の恩恵を受ける企業です。

一方でメモリーは需給によって価格が大きく変動する市況産業です。

AI需要が強くても、供給量や在庫によって利益が大きく変化します。

したがって、

「NVIDIAが強い=日本の半導体株全部買い」

という戦略は危険です。

今後は、

  1. AI需要との直接性
  2. 利益成長率
  3. 受注残
  4. 市場シェア
  5. 株価にどこまで期待が織り込まれているか

を比較する必要があります。

半導体相場が終わったのではありません。

むしろ、

「簡単な半導体相場」が終わりつつある

という表現の方が近いでしょう。


今週の注目テーマ③ 光通信・電線は「終わった」のか

ここ数か月、AIデータセンター関連として非常に強かったのが、

  • フジクラ
  • 古河電気工業
  • 住友電気工業

などの光通信・電線関連です。

しかし8月28日は、これらの銘柄が揃って弱い動きとなりました。

NVIDIA決算が強かったにもかかわらずです。

ここから二つの可能性を考える必要があります。

一つは、

単純な利益確定売り。

もう一つは、

AIインフラ関連株の中で市場の期待が先行しすぎていた可能性

です。

私は現時点では、光通信テーマそのものが終わったとは考えていません。

AIデータセンターの規模が大きくなれば、GPU間・データセンター間で処理するデータ量も増えます。

高速光通信の重要性はむしろ高まるでしょう。

問題は、

「成長する企業」と「良い株価」は必ずしも同じではない

ということです。

業績が30%伸びても、市場が50%成長を期待していれば株価は下落することがあります。

フジクラや古河電工については、今後の受注と利益成長を確認しながら、

株価調整が業績に対して行き過ぎる場面があるか

を見たいと思います。


今週の注目テーマ④ フィジカルAIは静かに継続

先週取り上げたフィジカルAIについては、今週も継続してウォッチします。

NVIDIA決算によってAI設備投資への安心感が戻ったことは、長期的にはフィジカルAIにもプラスです。

生成AIの次の段階では、

AIが現実世界の機械を動かす

ことが重要になります。

具体的には、

  • ヒューマノイドロボット
  • 産業用ロボット
  • 自動運転
  • 無人物流
  • スマートファクトリー

などです。

日本には、

  • ファナック
  • 安川電機
  • ハーモニック・ドライブ・システムズ
  • ナブテスコ
  • THK
  • DMG森精機

など、関連企業が多数存在します。

まだ半導体ほど市場の中心テーマではありません。

だからこそ、中長期で追い続ける価値があると考えています。

特に注目したいのは、

ヒューマノイドロボットの量産開始が実際の部品受注につながるタイミング

です。

ここが確認できれば、フィジカルAI関連株の評価が大きく変わる可能性があります。


来週の投資戦略

来週は9月相場に入ります。

そしてNVIDIA決算を通過したことで、市場の注目は再び、

AI企業の決算 → 金利・景気

へ移ります。

特に重要なのが米国の経済指標です。

来週は、

  • ISM製造業景気指数
  • JOLTS求人件数
  • ADP雇用統計
  • ISM非製造業景気指数
  • 米雇用統計

などが予定されています。

特に9月4日の米雇用統計は重要です。

雇用が強すぎれば、

金利高 → グロース株のバリュエーション低下

につながる可能性があります。

逆に弱すぎれば、

米景気後退懸念

が強まります。

つまり来週は、

「良すぎても悪すぎても株価が動く」

という難しい週になる可能性があります。


短期戦略

短期では、NVIDIA決算直後に急騰したAI株を無条件で追いかけることは避けます。

むしろ、

好材料が出たのに株価が下がっている企業

に注目します。

市場全体の利益確定で下落しているだけなのか。

それとも企業固有の問題があるのか。

ここを見極めます。

特にAIインフラ関連では、業績成長が続いているにもかかわらず株価が調整する企業が出てくれば、押し目候補になります。


中長期戦略

中長期については基本方針を変えません。

引き続き、

AI → AIインフラ → フィジカルAI

という流れを最重要テーマとして見ます。

ただしAIだけに集中するのではなく、

  • 防衛
  • 電力
  • インフラ
  • 金融
  • 宇宙

などへの資金循環も確認します。

今後重要なのは、

テーマを当てること以上に、そのテーマの中で勝つ企業を見つけること

だと考えています。


来週の注目株3選

① アドバンテスト(6857)

期待度:★★★★★

今週の1番手はアドバンテストです。

NVIDIA決算を受けて28日の日本市場でも大きく上昇し、日経平均を強く押し上げました。

AI向け高性能半導体が増えれば、製造するだけでなくテスト工程も必要になります。

そのためAI半導体市場拡大の恩恵を非常に直接的に受けられる企業の一つです。

今回のNVIDIA決算によってAI設備投資継続への確度が高まったことは追い風です。

一方、最大のリスクは株価に高い成長期待がすでに織り込まれていること。

良い会社だからどの株価でも買えるわけではありません。

急騰局面では追いかけず、調整時の値動きを確認したい銘柄です。

短期:★★★★☆
中長期:★★★★★


② フジクラ(5803)

期待度:★★★★☆

2番手は、あえて今週弱かったフジクラです。

NVIDIA決算でAI設備投資の継続が確認されたにもかかわらず、28日のフジクラは弱い動きとなりました。

ここを注目しています。

AIデータセンターが増えるほど高速光通信の重要性は高まります。

したがって、今回の下落が単なる利益確定であり、中長期の業績成長シナリオが変わっていないのであれば、押し目になる可能性があります。

ただし、

「下がったから安い」

とは考えません。

今後の決算・受注・利益率を確認し、現在の株価に対して成長率が十分なのかを判断します。

短期:★★★☆☆
中長期:★★★★★


③ ファナック(6954)

期待度:★★★★☆

3番手は引き続きフィジカルAIからファナックです。

8月28日も上昇しており、フィジカルAIへの市場の関心は続いています。

生成AIの設備投資が進んだ次に、AIを現実世界へ展開する段階が来れば、産業用ロボット大手のファナックには大きな成長機会があります。

短期で急騰するテーマというより、

2027年以降を見据えた中長期テーマ

として注目しています。

今後はロボット受注、中国設備投資、NVIDIAなどAI企業との協業を確認します。

短期:★★★☆☆
中長期:★★★★★


今週のテンバガー候補

ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)

テンバガー期待度:★★★★☆

先週に続いて、今週もハーモニック・ドライブ・システムズを残します。

通常このコーナーでは毎週違う企業を紹介することもできます。

しかし、

「毎週無理やり新しいテンバガー候補を出す」

ことには意味がありません。

本当に有望だと判断する銘柄なら、継続して追跡する方が重要です。

同社の精密減速機はロボットの関節部分などで使われます。

もし今後ヒューマノイドロボットが本格量産へ入れば、ロボット本体メーカーだけでなく、

モーター・減速機・センサー・制御機器

といった部品メーカーにも巨大な需要が生まれる可能性があります。

その中で日本企業がどこまでシェアを取れるか。

ここが最大のポイントです。

今後見るポイント

  • ヒューマノイド向け受注
  • ロボット需要
  • 中国設備投資
  • 受注高
  • 営業利益率
  • 生産能力

現時点ではまだ「テンバガー確定」と呼べる材料はありません。

だから★★★★★にはしません。

しかし、

フィジカルAI市場が本格的に立ち上がった場合の株価上昇余地

を考え、★★★★☆で継続監視します。


来週の期待度ランキング

順位テーマ期待度見方
1AI半導体★★★★★NVIDIA決算でAI投資継続を確認
2AIインフラ・光通信★★★★☆調整局面が押し目になるか確認
3フィジカルAI★★★★☆次のAIテーマとして継続監視
4電力・データセンター★★★★☆AI投資拡大に不可欠
5防衛・宇宙★★★★☆国策テーマとして中長期追跡
6銀行★★★☆☆金利動向次第で再び資金流入の可能性

編集後記

今週一番重要だったのは、

「AI需要は強い。しかしAI関連株なら何でも買えばいいわけではない」

ということだと思います。

NVIDIAは非常に強い決算を出しました。

それでも日本市場では、アドバンテストが上昇する一方、キオクシアやフジクラは下落しました。

これはむしろ健全な変化だと考えています。

テーマだけで株価が上昇する相場より、

業績・成長率・競争力によって企業が選別される相場

の方が、企業分析をする意味が大きくなるからです。

そしてこれは「うめ犬マーケットレポート」が目指している方向とも一致します。

単に、

「今週AIが上がった」

で終わるのではなく、

「AIの中で次にどこが伸びるのか」

まで考える。

来週は米雇用統計など重要指標が続きます。

AI投資の強さが確認された今、次の焦点は金利です。

金利による調整が起きた場合、

業績が強いのに市場全体に巻き込まれて下落する企業

が出てくる可能性があります。

そこに次のチャンスがあると考えています。


今週の結論

今週の結論はシンプルです。

AI相場は終わっていない。だが「何でもAI相場」は終わりつつある。

これから重要なのは、

AI半導体 → AIインフラ → フィジカルAI

という産業の広がりの中で、

実際に利益を伸ばす企業を選ぶこと。

来週は米国のISM、JOLTS、ADP、そして米雇用統計を確認しながら、金利とAI株の関係を追います。

そして次回も今回の

アドバンテスト・フジクラ・ファナック

が実際にどう動いたのかを答え合わせします。


※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身で行ってください。

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